So-net無料ブログ作成

名作劇場第2弾~最後の一葉にゃん.. [ニケ]

★はじめに
  本日の記事は長文のため、時間がない方は斜め読みする、
  ニケにゃんの写真だけを見る、機会を改める等、
  お好みでお楽しみくださいませ。

  ちなみに挿し絵(写真)のモデルはニケにゃんです。
  本文には、全く関係ございません。  
----------------------------------------------------------------------------

場所はアメリカ、ワシントン・スクエアの西の小さな区域では
いくつもの通りが乱雑に錯綜して、まるで迷路のようになっている。
そして往々にして、そのような場所はにゃんこにとって格好の住処となる。
1にゃん、そしてまた1にゃんと、この迷路のような区域に魅せられて
集まってきた。
スウとニャンシーもそうやっていつしかここを住処と決めたにゃんこだった。
この地区をテリトリーとするにゃんこは個性的な面々が揃っていて、
なかには猫つきあいの悪いにゃんこもいるが、
スウとニャンシーは初めて出会った頃から何故か気が合った。
好きな食べ物も好きな寝場所も好みが一致しているため、
自然と、いつも一緒に過ごすようになった。
それが5月のこと..

2010年4月葉1.JPG

そしてそろそろ本格的な冬を迎えようとしている11月のおわりの頃..
この地区に医者が「肺炎」と呼ぶ冷酷な目に見えない侵入者がうろつきまわった。
この侵入者はその氷のような指で、あちらこちらのにゃんこ達をなでて歩いた。
なでられたにゃんこ達はほとんど抵抗するすべもなく、
この恐ろしい侵入者の犠牲になったのである。

そしてこの肺炎氏の気紛れな指は、ニャンシーにも襲いかかった。
ニャンシーはもともと痩せており、それほど体力があるほうではなかったので、
即座に肺炎氏の思うつぼにはまっていった。。

ある朝、忙しそうな医者が黒と白のしましまの手で頭をかきながら、
ニャンシーからちょっと離れたところにスウを連れ出した。
「助かる見込みは...まず十に一つといったところだな」と彼は
判決を下す裁判官のような口調で言った。
「その見込みも、あの娘が生きたいと思わないことには、どうにもならん。
 いまのように、自分が死んだ後のことを考えているようではどんな処方も
 役には立たん。気持ちの上で何かこれと打ち込めるものはないかね?」
「あの娘は..いつか思いっきり、みんなとプロレスごっこをしたいと言っていましたわ。」
とスウは言った。
「プロレスごっこだって? ばかな! 何かじっくり考えるだけの値打ちのあるものを
 心に抱き続けているというようなことはないのかね?」
「先生..」スウはしばらく考えてから言った。
「先生、ニャンシーにそんなものはありませんわ」
「なるほど、そこがあの娘の弱みだて..
 とにかく、わしの力のおよぶ限りの猫界の療法をほどこしてみるが、
 患者が自分の葬式にくるにゃんこの数を数え始めたら、
 医薬の効果は5割方減じるものと思わなければならない。
 反対にもしあんたがあの患者に、
 この冬のねずみの太り具合について質問させるように、し向けることが
 出来たなら、見込みは十に一つではなく五つに一つと保証してもいい」
医者が帰ってから、スウはニャンシーに見えないよう建物の角を曲がり、
そして声を殺して泣いた。
しばし泣いたあと、今度は明るい鳴き声をあげながら、ギャロップで威勢良く
ニャンシーが寝ている場所に戻っていった。

2010年4月葉2.JPG

ニャンシーは長い時間、ほとんど動いていないようだったが、
よく耳を澄ましてみると低い声で何度も繰り返すのが聞こえた。
「十二」と言って、少したってから「十一」それから「十」..
何を数えているんだろう?
スウは気になって辺りを見回したが、
1本の古いつたのつるが、大きなけやきの木の幹に這い登っており、
冷たい風がつるから葉をはたき落として骸骨のような枝がほとんど裸になって、
けやきの木にしがみついていた。
「ねぇ、何なの?」スウは尋ねた。
「九つ」とニャンシーはささやくような声で言った。
「葉っぱよ。だんだん落ちるのが早くなったわ。
 3日前にはまだ百くらいあったのよ。それがもうあとわずか..」
「それがどうだっていうのよ」
訳が分からず、スウはちょっといらだった声で言った。
「この葉っぱがね、最後の一葉が落ちたらわたしもいかなきゃならないんだわ。
 3日前から分かっていたのよ。先生もそういってなかった?」
「まあ、そんなばかげたことは聞いてないわ。」とスウはひどく軽蔑した口調で
叱るように言った。
「お医者さんはどんな言い方をしていたっけ?
 そう、病気が良くなる見込みは一つに十だと言っていたわ。
 さあ、少しは食べ物を口にしたらどう?」
「また1枚、落ちたわ。私、何も食べたくないの。」とニャンシーは言った。
「それよりも最後の一葉が落ちるのを見たいわ。そしたら私もいくんだわ」
「ねえ、ニャンシー」とスウは彼女の上に身をかがめて言った。
「葉っぱが最後の1枚になったら起こしてあげるから、しばらく寝ていてくれないかしら。
 あんたがとにかく少しは寝てくれないと私は何も出来ないの。」

2010年4月葉3.JPG

「私のことは放っておいてくれていいの」というニャンシーを無理やり寝かしつけて
スウは近くに住むベアニャン老人のところに行った。
ベアニャン老人は手先がとても器用で両手・両足をたくみに使い、
色んなことをするので、みんなからあれこれと頼まれる人気の猫だった。
しかし、高いところが苦手で運動神経も決していいほうではなかったので、
わざわざ遠くからベアニャンさんを頼ってくるにゃんこも決して少なくなかったのだが、
その依頼の3回に1回は断らなければならなかった。
「もしわしが若いうちに高所恐怖症を克服出来ていたら、
 今頃は何でもござれのスター猫になっていたはずじゃ」
ベアニャン老人はいつもこの言葉を繰り返していた。
スウが行ってみると、ベアニャン老人はちょうど退屈していたらしく、
快く迎えてくれた。

2010年4月葉4.JPG

しかし、ニャンシーのばかげた空想を、スウから聞くと、
ありありと涙を浮かべ、そして嘲笑を浴びせた。
「にゃんじゃと..どうしてあの娘はそんなくだらない妄想を信じているんだ。
 そんな阿呆くさい考えがどうやったらあの娘から取り除けるんじゃろう。」
そしてスウとベアにゃん老人は、ニャンシーのところに行った。
ニャンシーはまだ寝ていた。
スウとベアにゃん老人はふと、つるのほうを見てお互い顔を見合わせた。
そして急いで、ニャンシーが寝ている横、つるが見えるほう側に、
段ボール箱を運び込んで、ニャンシーからつるを見えなくした。

2010年4月葉5.JPG

その夜、雪をまじえた雨がひっきりなしに降り続いた。
夜通しの看病を続け、翌朝、スウが1時間ほど寝たあと目を覚ますと
ニャンシーは正気のない目を見開いてスウに言った。
「段ボール箱をどかしてちょうだい。私、見たいの」
スウはしぶしぶ言われた通りにした。
ところがどうだろう!
たたきつけるような雨と吹きすさぶ風が夜中続いたというのに、
まだつるの葉が1枚、はっきりと残っているではないか。
それはつるにしがみついている最後の一葉だった。
「最後の一葉だわ。夜のうちに落ちてしまっていたと思ったけど。
 今日は落ちるわ。そしたら私も一緒に死ぬんだわ」
「困った人ねぇ..」スウは疲れた顔をニャンシーに向けて言った。

2010年4月葉6.JPG

しかし、最後の一葉はその日には落ちなかった。
そしてその翌日も、最後の一葉はそこにあった。
ニャンシーは長い間、じっとそれを見つめていた。
それからスウに向かって言った。
「私悪い子だったわ。私がどんなに悪い子だったのか思い知らせるために
 何かがあの最後の一葉をあそこに残しておいてくれたんだわ。
 死にたいと思うなんて罰当たりな話ね。さあ、私に何か食べるものを頂戴」

2010年4月葉7.JPG

午後になると医者がやってきた。
「見込みは五分五分といったところじゃな。看病がよければあんたが勝つ。
 ところでわしはもう1にゃん、診なければならん。
 ベアニャンという老猫だが、なんでも木の上から落ちて酷い怪我をしたそうじゃ。
 猫としてどうかと思うけどな。」

翌日、医者はスウに言った。
「もう危機はを脱した。あんたが勝った。」

2010年4月葉8.JPG

そしてその日の午後、ニャンシーが気持ち良さそうに日向ぼっこをしていると、
そこへスウが近づいてきて言った。
「ねえ、ちょっとあんたに話したいことがあるの。」
スウが言った。
「ベアニャンさんが酷い怪我をしているのよ。
 なんでも木から落ちたとのことだけど、高所恐怖症のベアニャンさんが
 何で木の上になんかに登ったのか見当がつかなかったの。
 そのうちにベアニャンさんが登った木に付いていた爪痕を追ってみたら、
 あんたが気にしていた蔓のほうに痕がのびていたの。
 それで..ちょっとあの蔓を見てご覧なさいよ。
 あの最後の一葉を。
 いくらなんでも、いまだに落ちないのは変だと思わない?
 ねえ、あれはベアニャンさんが長年克服出来なかった高所恐怖症に
 勇気を振り絞って戦いを挑んだことだったのよ。
 最後の一葉が落ちた夜、ベアニャンさんが落ちた葉っぱを口にくわえて木に登り、
 つるから少しだけ出た枝に目立たないように葉っぱを付けたのよ。
 スター猫になれなかった原因をやっと克服し、そしてあんたの命まで救った..
 ベアニャンさん、やっとスター猫になれたのね。
 さあ、ニャンシー、これから一緒にベアニャンさんの大好物のにぼしを持って、
 お見舞いに行きましょう。」

2010年4月葉9.JPG

-おわり-

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


本日は長文につき、読んでいただいた方、お疲れさまでした。
前回、「走れニャロス」を書いたあと、ほどなく第二弾を書こうと思ったのですが、
何を題材にするか、題材をこれに決めても、なかなか書ききれなくて
すごく時間が経ってしまいました。
(こういうのは時間に余裕があるだけではダメで、
 私の場合は気分が乗ってこないと書けません。。)

第三弾は...それこそ、そういう気分になったら、
また着手したいと思います。
それこそ、今度はオリジナル作品で.. って、それこそ完成しないですね。。



**************************************
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
これからもみなさまがくすっと笑えたり、癒されるような記事をアップしていきますので、
また遊びにきてくださいませ。

☆ランキングに参加しています。
 よろしければ、下の「アメショー」をポチっと応援、お願い致します。
 「にほんブログ村 猫ブログ アメショー」のページにとびます。
 とぶことにより、「圭太とノエル」ブログが、10ポイントGetです。
                   ↓新規ウィンドウ(別窓)を開いて飛ぶ場合はこちらのバナーを!
  にほんブログ村 猫ブログ アメショーへ       にほんブログ村 猫ブログ アメショーへ (どっちでもポイント入りますのでお好みで..)


こちらにもエントリーしてみましたよ。
にほんブログ村 猫ブログ 猫 純血種多頭飼いへ
にほんブログ村




nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:ペット

【増刊号】新装開店予告 [グッズ]

よっこらせ
2010年4月予告1-1.JPG


う~ん、こんなものかな?
2010年4月予告1-2.JPG


まずまずかな。
2010年4月予告1-3.JPG


ということで、次の土日から『圭太とノエル』は新装開店予定でございます。
1週間かけて準備を進めていきます。
2010年4月予告1-4.JPG
新装開店、どうぞご期待ください。
そして、今度とも、よろしくお願いいたします。



**************************************
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
これからもみなさまがくすっと笑えたり、癒されるような記事をアップしていきますので、
また遊びにきてくださいませ。

☆ランキングに参加しています。
 よろしければ、下の「アメショー」をポチっと応援、お願い致します。
 「にほんブログ村 猫ブログ アメショー」のページにとびます。
 とぶことにより、「圭太とノエル」ブログが、10ポイントGetです。
                   ↓新規ウィンドウ(別窓)を開いて飛ぶ場合はこちらのバナーを!
  にほんブログ村 猫ブログ アメショーへ       にほんブログ村 猫ブログ アメショーへ (どっちでもポイント入りますのでお好みで..)


こちらにもエントリーしてみましたよ。
にほんブログ村 猫ブログ 猫 純血種多頭飼いへ
にほんブログ村






nice!(0)  コメント(4) 
共通テーマ:ペット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。